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家族信託の普及にあたって、リスク要因になり得る点はありますか?

近年、いくつかの社会的要因に伴い、家族信託の普及が少しずつ進み始めています。

最近では、テレビや雑誌等で大々的に取り上げられたことが、最近の認知度の急激な高まりの大きな要因です。

 

■モラルと知識を備えた専門職が不足しているのが現状

急激な認知度の高まりは、家族信託の適正な普及についてのリスク要因になり得る可能性があります。

考えられるリスク要因としては、モラルと正しい知識を備えた専門職の数があまり多くないことです。

一般の方にとってみれば、相談する相手が本当に家族信託のエキスパートなのかを判断することは難しいです。

しかも、家族信託の業務の性質上、問題やトラブルが起こる頃には手遅れになっている可能性があります。

税務上のグレーゾーン等をメリットと謳い家族信託の利用を促す危うい専門職もいます。

 

弊社は関西でいち早く家族信託に取り組み、50件以上の取引経験があります。家族信託は、メリットの大きい制度ですが、万能ではありません。

あくまでも一つの手段に過ぎません。

それぞれのご家族の想いを踏まえた上で、前向きに相続対策に取り組めるオーダーメイドのプランをご提案いたします。

家族信託活用事例:共有不動産を巡るトラブル防止策

【状況】

長男Aは、亡くなった父所有のアパート(収益不動産)を、次男B・三男Cとで3分の1ずつ共同相続し所有しています。

アパートの管理は、甥YBの子)が行い、定期的にABCへ賃料収入の分配を行っています。

兄弟間には、老朽化が進んできたアパートをいずれ売却しようと漠然とした合意はある状況ですが、時期は未定です。

最近、長男Aの体調が悪く、物忘れもひどくなってきています。

長男Aの相続人は海外に住んでいる一人息子Xのみですが、次男B、三男Cとあまり仲が良くありません。

もし、不動産の共有持ち分3分の1を息子Xが相続すると、円満な共有関係が崩れてしまい、売却をしようとしたときに息子Xに反対されてしまう恐れがあります。

【問題・リスク】

①息子Xが将来的に長男Aの持分を相続すると、円満な共有関係が崩れ、管理や売却の際に支障が出る可能性がある

ABCともに高齢のため、認知症や相続発生などによって売却手続きがスムーズにできなくなる可能性がある

家族信託活用事例:一人暮らしの自分の面倒を見てくれた甥に財産を渡したい

Aさんは単身者です。高齢になり、一人暮らしだと不便が多く、近くに住む甥夫婦が、Aさんの面倒を見てくれており、とても感謝しています。

三男Cはすでに亡くなっておりAさんは、自分が亡くなったら財産はすべて甥夫婦に渡したいと思っていますが、その代わりに今後も面倒を見てほしいと思っています。

最近、物忘れも増えたようで体調にも不安があるため、早めに手続きしておいきたいと思っています。

【問題・リスク】

①認知症になってしまったら、口座からお金をおろすために成年後見人が必要になる。しかし、成年後見人は家庭裁判所が選任するため、誰が選任されるかわからない。

②Aさんが亡くなった場合の相続人に次男Bも含まれ、もしBさんが先に亡くなっており子供がいた場合、遺産分割協議に加わることになり、全員が合意しないと前に進めない。

 

【問題・リスクに対する要望】

①甥夫婦に今後も面倒を見てもらいたい。

②甥夫婦に自分の財産を渡したい。

家族信託には遺言の機能もありますが、遺言との違いは?

遺言と家族信託を比較するとき、家族信託を二つのパターンに分けて考える必要があると思われます。

一つ目は、信託契約の一般的なケースである、「生前の」財産管理の機能を持たせる場合です。この場合、その効力は、家族信託契約時からスタートします。

二つ目は、遺言の中で家族信託を設定し、相続発生「後」の財産管理や二次相続以降の資産承継先を指定する場合です。この場合、その効力は、相続発生後からスタートします。

 

■資産承継の対策だけなら遺言のみで足りるが…

民法が規定する通常の遺言と信託法の規定する家族信託契約との違いは、親の死後の財産の承継先指定が主たる目的であるのが遺言、親の元気な間から財産管理を担うのが家族信託です。

つまり、親が亡くなった後の遺産分けを法定相続分と異なるようにしたい希望がある場合は遺言のみで事足ります。

一方で、親の生前の財産管理について、対策(認知症等による実質的な資産凍結を防ぐ手立て)を講じる必要がある場合には、家族信託を活用することで、①生前の判断能力低下中の財産管理と②亡くなった後の遺産分けの指定の両方の対策に非常に効果的です。

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