家族信託活用事例:共有不動産を巡るトラブル防止策
【状況】
長男Aは、亡くなった父所有のアパート(収益不動産)を、次男B・三男Cとで3分の1ずつ共同相続し所有しています。
アパートの管理は、甥Y(Bの子)が行い、定期的にABCへ賃料収入の分配を行っています。
兄弟間には、老朽化が進んできたアパートをいずれ売却しようと漠然とした合意はある状況ですが、時期は未定です。
最近、長男Aの体調が悪く、物忘れもひどくなってきています。
長男Aの相続人は海外に住んでいる一人息子Xのみですが、次男B、三男Cとあまり仲が良くありません。
もし、不動産の共有持ち分3分の1を息子Xが相続すると、円満な共有関係が崩れてしまい、売却をしようとしたときに息子Xに反対されてしまう恐れがあります。
【問題・リスク】
①息子Xが将来的に長男Aの持分を相続すると、円満な共有関係が崩れ、管理や売却の際に支障が出る可能性がある
②A、B、Cともに高齢のため、認知症や相続発生などによって売却手続きがスムーズにできなくなる可能性がある