生前相続対策の1つに任意後見契約も有効。他の手段と併用も可能。

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生前相続対策の1つに任意後見契約も有効。他の手段と併用も可能。

成年後見制度はとても使いにくい、本人の本当の意思が尊重されないにくい制度だと認識されている方が多いと思います。

しかし、それはあくまで財産管理に関する部分であり、それ以外の「心」や「体」の部分については、成年後見制度は重要な役割を担っています例えば、生活費の管理や、本人の代わりに契約行為を行うなど、日常生活を送るうえで大きな助けになります。

 

■任意後見人の人選は重要

成年後見制度が始まった頃、成年後見人はその人の配偶者や子供等の家族から選ばれるのが通常でした。

しかし、現在の家庭裁判所の多くは、財産に多額の現金や高額の収益不動産などが含まれているケースや、複数の推定相続人が存在するケースの場合の多くは、弁護士や司法書士などの専門職後見人を選任する傾向がとても高まってきています。その場合は、その専門職後見人に手数料を支払って、後見事務を行ってもらいます。

しかし、近年は、後見人が財産を横領する不祥事が相次いでいます。

そんな中で検討していただきたいのが、後見制度のうち「任意後見制度」です。これは、本人が元気なうちに最も信頼できる家族などを将来の後見人候補者として指名しておく仕組みです。これを使えば、見ず知らずの専門職後見人に手数料を支払う必要もありません。横領などの危険も回避できます。何より、自分の判断能力が低下した場合、最も信頼できる人に自分の財産管理を任せられるという安心感が得られます。

だし、任意後見人と別に任意後見監督人の選任の申し立てを家庭裁判所にしなければなりません。この任意後見監督人は別途報酬が必要となります。

任意後見制度も成年後見制度と同様、家庭裁判所の監督下にあることに変わりはありませんが、任意後見制度は本人が元気な間に自分自身の判断能力が低下したときに任意後見人に代わりにやってほしい法律行為を本人が選択できる(民法に書かれている法律行為を代理できる「メニュー表」をもとに本人がオプションを付けることができる、または削除できる)という点で、成年後見制度より自由度が高い仕組みといえます。将来において本人が自分の判断能力が低下したときに代理してほしいこと、代理してほしくないことを決めることができます。

ちなみに成年後見制度において、成年後見人は、本人が認知症等の判断能力が低下したときから関与が始まるので、就任した成年後見人は民法に書かれたメニューすべてが強制的に代理権の範囲となります。法律行為のうちどの範囲を代理してほしいという本人の意思は、成年後見人就任時において全く反映されません。

下記図を参考にしていただき、どの範囲まで指定しておきたいかによって活用する手段を選択していただければと思います。

2019.02.13

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